☆「組織論」・・展開2

「ブログ2」・・「展開2」

・・これから「展開1・・序論」で提示した「提示シート」(2-1「組織論」 2-0「そのポイント」)についての説明を展開します。・・いわば、この2つの提示資料に基づいての「講座」だと思ってください。資料の解説もしますが、自分の思いをかなり自由に付けていきますので、資料から離れることも時にはあります。・・それでは・・・

◎「自由!・・には・・生きられない人間・・でも自由は基本」

独りで生きていける動物は多くいる。むしろ、そちらの方が多い。哺乳類以外は全てだといっていいし、哺乳類でも、強い動物は成長すると、全く独立し孤独生活で縄張りを守る。生命とは、実は、そうした個としての独立性を基本としたものなのであろう。私達人間も基本はそうである。私も、集団で旅行する場合でも、宿泊は個室であればホッとするし、独り行動をしたいこともある。自分の家でも、自分なりに配置した物事はかってに変えて欲しくはない。外食事の注文も自分で選択jしたい。・・自由が基本だ・・・

○「組織で生きるが、それでも自由が基本」

しかし、人間は、自由だけだと自分で自分が守られない。病気になったら自分で直すしかないし、直らなかったらそれで終わり。自分より強い個人が自由を振り回すとその犠牲になる。先の旅行でも、上等な場所を「強い自由者」にかってに取られても「弱い自由者」は、立ち向かっても負けるだけ。・・ホッブズの言う「万人の万人に対する闘争」状態となる・・

だから「組織」が生まれたのだろう。皮肉なことに、「生物として弱いから組織化し、それで最強になった」のである。それは、自分たちの弱さを自覚する能力から始まったといえよう。それは、パスカルが言った「弱さを自覚した葦」の強さであろう。

組織は、自由に生きたい人間の自由に生きられない弱さを補完する目的で作られたのである。・・そのために、自分の自由を少しづつ削って、組織の要求に合うようにしたのです。ちょうど自然石が角を削って石垣の石になるように・・でも、石は石です、レンガではありません・・基本は、「自由」です・・☆ブログ用「組織論 シート」

*参考資料・・「組織のイメージ・・石垣からみる」  (簡単なシートです)

  ☆ブログ用1「組織論超ポイントシート」(PDF)

○「組織の2形態」

ここから2つのルールが導き出されます。1つは、自由を野放しにする無組織の状態では人は生きられない。2つには、その逆に、自由を抑圧する組織は長続きはしない。この原則は、これでの歴史でも証明されてきているし、現在の現実組織を吟味するときにも方程式として成り立ちます。

組織の在り方では、「自由」と「組織化」(つまり「フラット型集団or集合」と「秩序型集団」)・・この2つのバランス維持がポイントなのである。強い組織が嫌われるのは、そこには自由がないからであり、弱い組織が危ぶまれるのは、それでは自分たちが守られないからである。

・・参考までに・・

「強い組織」・・強権体制社会(専制君主・ファッシズム・軍事独裁体制)、ボス型経営組織(社長独裁・ファミリー専横)

・・個人が自然石であることを否定して、規格石にしようとする.さらには、組織に合致したレンガのような規格人材を求める・・(現在でも、このような社会や国家がみられる)

「弱い組織」・・集団決議体制組織(衆愚社会「決議の質が低く弱い」)、部族連合社会(弱小ボスの対立抗争で弱体)

・・個人が自然石のままであり続ける。この石のままでは組立ができない。個人としては強いが組織としては弱い。(でも、組織が崩壊すれば、強い個人も存続できない。)(さらに最悪なのは、強い個人が小グループをボス的支配をして互いに対立し合う状況もある)

このルールで、現実の組織をみると、ファミリー型経営の強みは、ボス型組織であるから、決定の速さと責任体制の明確さであるが、これが強すぎると内部個々人の抑圧となり、自由意見は出ず、面従腹背の組織員が増加する。反対に、合議型経営では、部族連合社会に近く、相互の調整で決定が遅く、権限も弱いものとなる。反面、内部から、革新的なアイディアややる気の組織員も出てくる。・・私の関わった学校組織に当てはめてみても、このルールは通用すると思えます。

・・その一例としては・・かつての公立学校は、組合型の「集団決議体制」であり、自分たちの意に反する決定はしないとして、従来どうりの慣例に終始し、新しいことへの挑戦もなく、外的な組織的対応の弱い組織であった。(・・内部への結束・束縛は強いものであったが・・)・・その後の、「是正指導」でこれが是正され、強い組織化が行われたが、現状ではやや形式的な強さの方向が目立ちます。でも、決して「是正」以前がよいわけではありません。何とか、両組織形態の融合はないかというのが私の思いです。。

また、私立学校では、経営者の強弱が、・・それは個性の要素もあるが、それよりもシステムの要素が強いのであるが・・、その学校の特色を決めている。・・決定が遅くかまとまらない学校、決定が速いがトップダウンだけの学校。決定が遅いが決定後はまとまる学校・・等々です。経営体制(システム)と職員参加態勢(アティチュード)との相関関係で決まっていくようです。

ついでに、大学経営での「教授会」の在り方をめぐって、その権限を制限しようとする動きも、「自由」と「秩序」の関係式で考えると方向性が見えてきます。

このように、組織の強弱にはそれぞれの長短があります。

*参考資料・・「自由組織と秩序組織」の分析・「重層柔構造」組織  (簡単なシートです)

 ☆ブログ用2「組織論超ポイントシート」(PP版)

☆ブログ用2「組織論超ポイントシート」(PDF版)☆ブログ用2「組織論超ポイントシート」

◎「重層柔構造」・・2つのルールの結合へ

そこで、この「自由」と「秩序」の長短を埋め合わせ、適切なバランスを図ろうとするのが「重傷柔構造」の組織である。「重層」とは、自由フラット型に秩序ピラミッド型を組み合わせることであり、「柔(柔軟)」」とは、この2者の接合のための柔軟的なサブ組織によるフレキシブルな対応を行うこととなります。

・・次回には、それではこの「重層柔構造」をいかにして運用するかについて考えてみます。。